たーちゃんに 贈る
世界でたった1冊の絵本
大変お世話になっております。
これまでの感謝の意を込めて
あなたに贈ります!
2018年3月吉日
はなこより
山田 太郎さんへ
これまでのありがとうを込めて
ありがとうのほん
KACHIKO 作・絵
今日は何の日?
ある人にとっては
普段と変わらないありふれた一日であり
ある人にとっては
生涯忘れられない特別な日かもしれません。
たーちゃんにとっては
どうですか?
流れゆく時間の中から
今日という日に寄せて、
たーちゃんに伝えたい事があると
扉の向こうで待っている方々がいるようです。
まず最初は、
遠い昔のたーちゃんがまだ
今よりずっと小さな頃に履いていたくつ。
いつしかサイズが合わなくなって
捨てられてしまったけど
こんなにボロボロになるまで
たくさん履いてくれて
色んなところへ連れて行ってもらえて
嬉しかったのです。ありがとうね。
たーちゃんの足は
あの頃に比べるとずいぶん大きくなりましたね!
お次はたーちゃんが
赤ちゃんの頃に使っていたものたち。
たーちゃんは憶えてる?
あまいミルクの香り。ふわふわの肌触り。
聞こえてくるのは不思議な音。
コロコロコロリ、カラカラカラ。
たーちゃんが泣いているとき
そして、笑っているとき いつも一緒にいたのです。
共にすごした日々に、ありがとう。
もう25歳だなんて
時がたつのはあっという間ですね。
お次は使いかけのクレヨンや絵の具たち。
たーちゃんがまだ幼かった頃、
どんな絵を描いたか憶えていますか?
一番使ったいろは、何色?
失敗を恐れず、無心で描いていたよね。
思いきり使ってくれて、ありがとう。
今はどうですか?
今でも心のままに自分を表現していますか?
他人と自分を比べて、落ち込んだりしていませんか?
そんな時はまた、あの頃を思い出してみてね。
いつかどこかで出会った
小さな可愛い生き物たち。
言葉は無くても伝わった。
優しく目を合わせてくれたこと
可愛いと思ってくれたこと
それだけで幸せ。
ありがとう、たーちゃん。
どこかでまた会えるかな。
会えるといいね。
その時がくるのを楽しみにしているよ。
そしてさらに小さな生き物たち。
小さすぎて見えなくて
踏まれそうになったこともあるけど
どんなに小さくても一生懸命生きているよ。
嫌いかな?
でももしかしたらいつかは
好きになってもらえるかな?
まずは たーちゃんに
知ってもらえたことに、ありがとう。
また、見つけてね。
彩り豊か穫れたて新鮮、
美味しそうな食べ物たち。
太陽の光を浴び、海と大地に抱かれ
エネルギーに満ち溢れています。
宝石の様に輝いています。
栄養を豊富に蓄えた大自然からの贈り物。
たーちゃんがいつも
美味しそうに食べてくれて
元気になってくれること
それが嬉しいのです。ありがとう。
東京、
それはたーちゃんと
ご縁のある土地。
人に個性がある様に土地にも個性がある。
東京は好きですか?
たーちゃんがこの土地に
住むことによって
東京を元気にしています。
住んでくれて、ありがとう。
なかなか良いところでしょう?
空気、それは目には見えない。
目には見えないそのままの姿で
たーちゃんが動き回っているときも
眠っているときも そばにぴたりと寄り添っている。
寄せては返す波の様なリズムで
体内へと吸い込まれるたび
繊細な会話をしているよ。
たーちゃんの呼吸に、ありがとう。
新鮮な自然の良い香りを乗せて
いつものたーちゃんの元へ
綺麗な空気を届けられます様に。
地球、それはいつも私達の足元で
静かに、時に激しく息づいている。
太陽系に浮かぶ三番目の星。
たーちゃんはこの広い地球の上で
これまでどんな場所へ行き
何を見て、何を感じ
どんな想いを抱いてきたのだろう。
この地球に生まれてきてくれて
ありがとう。
これからも冒険を楽しんでね。
空にぽつんと浮かぶ太陽と月。
昼と夜の世界を照らし続ける姿は まるで父と母の様。
時々見上げてしまうのはなぜだろう?
たーちゃんが彼らを見上げる時
彼らもまた、たーちゃんを見つめている。
あなたの眼差しが嬉しいのだ。
見上げてくれてありがとう。
寒さに凍えない様に
暗い夜道に迷わない様に
いつも たーちゃん を見守っているよ。
宇宙、それはただ静かにひっそりと在る。
永遠に続く暗闇の中に煌めく星たち。
銀河、星雲、ブラックホール。
なぜ宇宙は存在するのだろう。
創造主の実験場?それとも一つの生命体?
ただ確かな事、それは たーちゃんは今
宇宙を構成している一つの輝き。
たーちゃんが存在していることで
宇宙は成り立っているのだ。
たーちゃん、存在してくれて、ありがとう。
たーちゃんの体を構成する細胞。
それはミクロの世界。ちいさな宇宙。
毎日どこかで生まれ
毎日どこかで役目を終えている。
めぐりめぐる集合体。
たーちゃんが生きている。
ただそれだけで細胞たちは巡っている。
だから、ありがとう。
たーちゃんが取り込む栄養と
にっこり笑顔の幸福感で
細胞たちはますます元気に働けるんだ。
目を閉じると心の中に浮かんでくる
優しくて暖かい光。
それは たーちゃんという
存在を通して体験したかった。
楽しさ、嬉しさ、辛さ、悲しみ、怒り、
感じられる限りのたくさんの感情を
たーちゃんでしか味わえない オリジナルな体験を。
それが光にとっての喜び。
たーちゃんという体験に ありがとう。
光はいつも たーちゃんを愛しているよ。
いつかどこかで見かけた人達。
おじいちゃんや、おばあちゃんや、おばさんの姿も・・。
世の中には星の数ほどの人がいる。
これだけ沢山の人がいるのに
同じ人は一人もいない。
たーちゃんと同じ人も もちろんいない。
みんな少しずつ違う色を持っていて
それぞれの色が輝く時
世界はカラフルに彩られる。
たーちゃんが たーちゃんで
いてくれて、ありがとう。
最後に。
親愛なるたーちゃん。
あなたがいてくれたから
この絵本が生まれました。
ありがとうの気持ちを込めて。
これを贈ります。