これらがオリジナルになります。
・お名前
・ニックネーム
・年齢(任意)
・住んでいる所(ホームタウン)
・親しい人や家族の名前
(主人公の乗るソリを見送る人として登場します。)
・贈り主のお名前
・プレゼントす日付
・メッセージ(81字まで)
世界でたった一冊の絵本をプレゼントしてみませんか?
赤字がオリジナルになります。
赤字を大切なあの人に置き換えて読んでみてください。実際は全て黒字になります。
幸次さんの
クリスマスの願いごと
あなたに贈るお話の本
カレン・M・ヘフティ作
あきよしこ訳
ヴァレリー・ウェブ画
本山 幸次 様
メリークリスマス!
これは あなたのために 特別に作られた本です。
あなたの幸せを願って、
この絵本を贈ります。
H25年12月24日
愛子より
「今年のクリスマスのプレゼントはどうしよう?」
55歳の幸次は ため息をつきました。
世の中はクリスマスムード一色。
街はうきたつような空気に包まれています。
でも幸次の目下の悩みは、
娘たちへの ←名前が3人まで入ります。
クリスマスプレゼントが
きまらないことなのです。
部屋に飾られたクリスマスツリーを眺めながら、
55回目のため息をつきました。
幼い頃、クリスマスの朝には、
プレゼントがいつも枕元に置かれていました。
でも幸次は、もう自分でプレゼントを
探しにいかなくてはならないのです。
『電話一本、30分でお届け』してくれる。
ピザ屋みたいなサンタクロースはいないかなあ。
プレゼントのことを考えすぎて、
幸次の頭はオーバーヒート気味!
そのときでした。
郵便受けがコトリ、と小さな音をたてたのは。
郵便受けをのぞくと、見慣れない模様をあしらった、
一通の手紙が入っていました。
そこには消印も、北海道の
幸次の住所もありません。
ただ、『本山 幸次様』という文字があるだけです。
封を切った幸次は驚きました。
そこには、こんな文章があったのです。
本山 幸次 様
わしはサンタクロース。
クリスマスももうすぐじゃが、いかがお過ごしかな?
サンタクロース??
幸次の頭はいっきに真っ白になりました。
サンタクロースの国は今、
クリスマスプレゼントの準備でお大忙しじゃ。
なにしろ、世界中へプレゼントを運ぶんじゃからな。
幸次はどんなプレゼントをお望みかな?
サンタクロースの国、特製クッキーはどうじゃ。
もみの樹の形をしていて、
それはそれはおいしいクッキーじゃよ。
幸次はやっぱりそうかと思いました。
これは最近、近所にできたケーキ屋の、
ダイレクトメールに違いありません。
でも手紙の文章はまだまだ続きます。
プレゼントの用意ができると、
こんどはトナカイたちの準備をしなきゃならん。
金の鈴がついたひもを、一頭一頭つけていくんじゃ。
これがあの有名な
「ジングルベル」という曲になるんじゃよ。
幸次は信じられない、と思いました。
サンタクロースなんて架空の人物で、
そんな話はとっくに卒業したはずなのに・・・
でも手紙には・・・
サンタクロースなんているもんか、
と思っておるじゃろう。
サンタクロースを見たかったら、
クリスマスイブにサンタクロースの国にくるとよい。
世界中の国々に飛び立つサンタクロースのソリを、
一般公開しておる。
幸次は、またわからなくなりました。
どうやらこれは
ケーキ屋どころではなさそうです。
もしかするとフライドチキンの店かもしれない!?
幸次の脳裏に、小太りで、
めがねをかけ、いつもニコニコして町角に立っている、
とあるおじいさんの姿がいかびました。
わしはみんなの視線を浴びながらソリに乗り込む。
まるでスターになったきぶんじゃ。あたりは大騒ぎさ。
みんなの寝顔を見るのもいいが、
幸せそうな笑顔を見るのは、
もっといいもんじゃよ。
幸次はちょっとばかり想像してみました。
もし自分がサンタクロースの国に行けたら!
なんてわくわくする光景なのでしょう。
そうか、これは旅行会社のパンフレットなんだ!?
『冬休みはスキーをかねてサンタクロースの国へ!!』
こんなキャッチコピーがうかびました。
みんなわしに手をふってくれておる。
いよいよ出発じゃ。忘れ物はないかな?
それからわしは、トナカイたちに、
「さあ、行こう!」と声をかける。
するとそりはあっというまに空の上。
空気は冷たいが、とてもよい気持ちじゃ。
いちどのせてやりたいくらいじゃよ。
この手紙は航空会社のパンフレットかもしれない!?
と幸次は考えました。
北欧の空を遊覧飛行する会社なのです。
でも、幸次は高いところはちょっと苦手です。
めざす家に到着すると、さあ仕事じゃ。
エントツから、といいたいところじゃが、
近頃はエントツのない家が多いから大変じゃ。
なんとか家に入りプレゼントを置いたら、
すぐ次の子の家にいかなきゃならん。
プレゼントのリストは、
子供たちの名前でいっぱいじゃ。
こんどは警備会社のパンフレットかな?
と 幸次は思いました。
『サンタクロースも入れない防犯装置』じゃ、
サンタクロースがかわいそうです。
目の回るような夜を過ごして、
クリスマスの朝に帰ってくるころは、
もうへとへとじゃが気分はそう快じゃ。
この一夜のために、一年を過ごしておるからな。
わしは妻に子供たちの様子を話してやる。
あの子は今年もいい子にしておったよ、
というと、妻もとても嬉しそうじゃ。
そうそう、わしは 幸次の、子供のときの
寝顔を見たこともあるんじゃよ。
結婚案内のパンフレットだったのか、
と 幸次は思いました。
でもサンタクロースにもおくさんがいるなんて!
クリスマスの前には、
たくさんのおもちゃを作る仕事がわしを待っておる。
家では、一日中にぎやかな音がしているが、
それはおもちゃを作る音なんじゃ。
こんどは隣町にできた大きなおもちゃやさんかな?
と 幸次は考えました。
そして子供のころ、目が覚めると、
きまって枕元に置かれていた
プレゼントのことを思いうかべました。
昨夜までなかったおもちゃが、朝そこにあるのは、
とても不思議で、魔法のようでした。
幸次、
おまえさんはもうおもちゃで遊ぶ子供ではないが、
今回のクリスマスには、
特別にプレゼントをあげることにしよう。
はてさて、何だと思うかね?
この手紙を最後まで読んでくれればわかるが、
それはまだ秘密じゃ。
そろそろたくさんのプレゼントが、
きれいに包まれて、いろんな国に旅たつところじゃ。
サンタクロースのプレゼントというもんは、
ただおもちゃを包んでいるだけではないぞ。
その中には、
夢だの、希望だの、感謝だの、愛情だのといった
気持ちがいっぱいつまっとる。
子供たちは、プレゼントをあけたとき、
その気持ちも一緒に受取ることになるんじゃ。
もちろん、幸次や
娘たちへの ←親しい人のお名前がはいります。
プレゼントにも入っておるとも。
さあ、いよいよ出発じゃ。
わしはおなじみの赤い服を着る。
北極の空の凍るような寒さも気にならんような、
完全防寒仕様じゃ。
プレゼントをつめたおおきな袋をソリに乗せ、
たくさんの子供たちに会えるのももうすぐじゃ。
外はもう、しんしんと雪がふっておる。
幸次、おまえさんへのプレゼントは、
愛子にあずけておいた。
ま、楽しみにしておれ。
わしは空をひとっ飛び。
ヨーロッパ、アメリカ、アフリカ、アジア、そして
北海道にもプレゼントを届けにいくぞ。
プレゼントを待っとる子供たちは
世界中におるからな。
そうじゃ、忘れておった。
わしがこんな手紙を書いたのは、理由がある。
プレゼントが無事おまえさんへ届くには、
ひとつ条件があるからなんじゃ。
それはクリスマスの朝に、ひと言こういえばよい。
つけくわえるなら、できるだけ明るく、
楽しくやってくれ
幸次は、
いそいで最後の紙をめくりました。
そこには・・・
メリークリスマス!
幸次は、
娘たちへの ←名前が3人まではいります。
プレゼントを選びにコートをはおると、
楽しそうに出かけて行きました。
ポケットには、
サンタクロースからの手紙が入っています・・・